2017年8月17日 多頭現場一斉TNR&一斉保護 【茅ヶ崎市の秘境?】
8月17日。
市内某所での一斉TNRと一斉保護をしてきました。
ここにたどり着くまでに
どんだけ時間がかかったことか。
今年4月26日に1通の相談メールが来ました。
市内某所にて
とても人懐こい猫で人に慣れている猫が居て
誰かが餌を与えている。(給餌シーンも確認済み)
と言った感じの。
保護するにもお家には病気の猫さんがいて
保護が出来ないし・・・
という事でその日のうちに相談者さんと直接お会いして
現場で該当猫さんを探すも・・・見つからず。
しかし色々な事がわかり
現場で給餌している人、飼い主と主張する人物がいる事が判明。
土地の所有者は国。
そして猫は1匹だけじゃなく多頭であることもわかり・・・。
現場の土地所有者との交渉。
飼い主と主張する人物との交渉。
現場で他に給餌をしてくれている方々との接触。
沢山の課題を抱えたこの現場。
時間はかかるが必ず対応すると決めて
着々と準備を進めてきました。
そして今回保健所も弁護士に相談をしたりして
対策を練り
とうとう現場入りが出来る状況を作り上げることが出来ました。
約4か月かかって現場対応が出来る状態になったわけです。
1通の相談メール。
1通の写真。
そこから最終的に17匹の対応となったんです。
誰もこの現場を相談してくれなくて
誰もが着手できずにいたら
この現場は
あと2か月もすれば
20匹以上の現場になっていたでしょう。
そして虐待行為も発生していたことから
犠牲になる子はもっと増えたかもしれません。
そしてこの現場で給餌を続けながらも
自称飼い主と交渉を重ねて来ていた給餌者さんたちも
やっと手術が出来る・・・
やっと猫たちを救える・・・
ホっとされていました。
色々な方がいます。
人馴れしている猫を見て可愛いと思う人もいれば
虐待されるかもしれないから保護してあげたほうがいいかもと思う方もいれば
イタズラしてやろうって思う人もいれば
猫を見るだけでイライラしてぶっ殺してやる!って思う人もいれば・・・
色々な人がいます。
外猫たち・・飼い主不明猫たち・・・野良猫と呼ばれる猫たちは
出会う人間次第で
幸せにも不幸にもどちらにでもなってしまいます。
土地の所有者が個人だったら
もっと早く対応できた。
土地の所有者(管理者)が国だったから
余計に時間がかかった。
立ち入り出来る人が限られる区域であること、
車両の立ち入りが出来ない場所。
給餌者の方々は手術をしてやりたいと思っている。
小さい体で妊娠している猫たちを、
小さな体で痩せた猫が妊娠していて人馴れして餌を求めてスリスリ来るのを見て
なんとか救ってやりたいと思ってる。
でも自称飼い主が許可をくれない。
機嫌を損ねたら立ち入りは出来ないだろうか。
いや、強引にでもやるべき。
いや、ここは自称飼い主にしっかり納得してもらってからやろう。
いや・・・・ここは・・・この場所の場合は・・・
凄い悩んで
凄い考えて
凄い色々な力を借りて
やっと・・・。
手探りで始まった現場対応が
やっとTNR出来た・・・
もう本当にこの1日にすべてをかけてました。
この現場は1日で終わらせないといけない。
この現場は明日になったらどんな変化を遂げるかわからない。
この1日で終わらせる。
それしか無い。
そう思って立ち入りしました。
毒蛇も出るから気を付けてねって言われました。
へ・・・へび・・・?
どくへび?!
まじかよー。。。
更に言うと
連日降り注いだ雨で
沼地のようになって
歩くのも大変でした・・・
ちょっとボケっとして歩けば
ズボって足が沈んでいく・・・
どんどん靴に土がついていくし
乾いているところを歩かないと
沈んでいく足。
更に草ぼうぼうのところを入って行けば・・・
刺される!
めっちゃ蚊に刺される!
捕獲器でどんどん捕獲をしていって
前半戦は1時間程で11匹捕まえました。
猫たちの姿は見えなくなりました。
警戒して出てこないのもいれば
時間帯によって出てくる子も違うみたい。
予定では成猫7匹。
仔猫10匹の合計17匹の現場です。
そして当初は4匹保護で
あとは手術できない月齢。
夕方になってから再度捕獲に出発。
1時間かけて残りの6匹捕まえました。
保健所の職員さんも前半戦は同伴してくれて
給餌者さんも前半戦同伴してくれて
CCPの幸せ探し会でお手伝いしてくれてるボランティアさんも協力してくれました。
もう歩き回った。
歩きまわったし捕獲器足りないし。
(車に詰め込める台数が11台でギリギリなの)
何往復しただろうってくらい。
汗だくになりながら
猫たちを探しながら
歩き回った1日。
2万歩以上歩いたよーってスマホに褒められた。。。。。
朝9時に現場入りして
一度撤収したのが12時過ぎ。
夕方5時に再度現場入りして
現場を出たのが6時半。
ギリギリまで、陽が落ちるまでギリギリ。
なんとか予定していた子たち全員捕獲完了。
捕獲器に入ったのは猫だけじゃなくて
こんな虫さんも入りました。
名前が出てこなくて
えーっと、誰だっけ!幸せになれるっておばあちゃんがもってたのくれた!って喜んでしまった(笑)
ゴキブリ系の虫じゃなければ(カラーが綺麗なヤツなら)触れるので
捕獲器から出してリリースしてあげました。
大自然で
茅ヶ崎市アマゾンだ!って言っちゃうくらいに
広い土地を猫を求め・・・走り回って歩き回った一日でした。
そして成猫のメス5匹、オス2匹は翌日手術。
チケットが3枚しかないので
メスにチケットを使いますが
どの子にチケットを使うかで悩みました。
妊娠猫がいるならそっちにチケットを使いたい・・・
妊娠猫が居るのかどうか。
それを悩みました。
1匹は可能性がゼロ。
もう1匹は妊娠していないだろう。
もう1匹は・・・怪しい。
5匹のうち、1匹だけ怪しい子が居ました。
その子に使って
やっぱり妊娠指定ました。
妊娠中期になったばっかりの子。
そう。
3月に出産したお母さん猫。
その3月生まれの子猫は4匹。
キジトラ3匹、キジ白1匹。
そして母性の強さで
なかなか捕獲できなくて
最後の最後に捕獲になったママ猫さんは
仔猫を4匹連れていました。
他にも1匹出産していて
合計6匹が5月生まれと言われていました。
3月生まれなら通常TNRです。
でも人馴れしているからということで当初保護してほしいと言われていました。
でも自称飼い主が手放すかどうか・・・と悩んでいましたが
最終的に自称飼い主はウメちゃんという子以外は里親さんみつけてやっていいよって言いだしました。
最初は手術なんてしたくない。手術したら早死にする!って言って
頑なに手術を拒んでいたのに。
機嫌がいい時はそういうんですよ、
みんな手術してやりたいんだとか言うんです。
でも機嫌が悪ければ
噛みついてくる。
だからみんな噛みつかれるのがイヤで、怖いし、
餌を与える事しかできなかった。
明らかに給餌量が足りないから
不備にに思った人たちが給餌をしてくれていて
飼い主本人が与えているのは
キャットフードの時もあれば
焼きそばの時もあったり残飯なときもあったようです。
この子は
おっかぁと呼ばれている子です。
足が悪いそうです。
何でかなぁと思ったら
なんと子供(中学生くらい)の子たちに虐待されたんだそうです。
棒でたたかれてしまったんだって・・・
脱臼してるのかなって思う感じの歩き方でしたが
もう治すにも治せない位時間が経過してるし
それ以上に痩せ方が酷いので
内臓がやられている可能性もあります。
今回一番手術が心配だった子。
でも結局手術済みの子で耳カットだけになりました。
実は数年前、
CCPの副代表がこの現場を対応しようとしていたところだったことに
後になって気づいたんですよね。
4月に視察いにったあと
あれ?って思って。
色々総合的に考えたら
あー!あの時の現場か!!!って。
結局その時は対応不可能と判断されて
立ち入り出来ず
私も現場を見に行くことが出来ていなかったのですが
今回幸運にも同じ現場を対応することになり
当時はオス以外はTNR済んだと聞いていました。
今回の現場から少し離れた場所で猫がいて
そこの子たちを給餌していた老人が
メスだけは手術したそうです。
オスは手術していない。
多分この子はその時にTNRした子なんだろうな。
耳カットが無かったからまた麻酔の負担をかけることになりました。
耳カットがあるかないか。
とても重要なんですよ。
色々な事がありましたが
この現場は最終的に
リリース後に
給餌者さんがいったら子猫が1匹確認できたと聞きました。
つまり給餌者さんも把握していなかった子たちがいたと。
2匹居たって言ってたんだけど1匹見つけたと言ってたりしてて
結局何匹残ってるのかわからない・・・。
まだ現場終わってないってことみたいです・・・(汗)
でもまだ月齢が幼いからどちらにしても1か月は経過しないとTNRできないし
かといってあの時に出てこなかった子たちだから・・・相当ビビリだろうから保護は難しいだろうな・・・
ってことで・・・
とりあえずの17匹の対応は終わりました。
保護された10匹の子猫たちは
3月生まれは1週間程様子を見てTNRにする子と保護にする子を判定します。
5月生まれの子たちは9月にならないと手術が出来ないので
あと1か月位様子をみつつ馴致が出来る子と出来ない子を分けて
TNRと保護に分けます。
現場が現場だけに・・・
そもそも人が住む場所じゃないわけで
猫も居ないほうがいい場所なわけで・・・
リリースは極力避けたいんですが
人馴れしている子も本当ならリリースしたくないんですが
成猫はリリースしました。
仔猫は・・・厳しい環境に耐えられなければ命を落としますし
虐待するような輩もいる場所です・・・
安易にリリースはしたくない。
犬猫みなしご救援隊さんにお願いをするか
保護してCCPで譲渡するか・・・
悩んでいるところです。
キジトラかキジ白しかいない仔猫たち。
判別も3月生まれの4匹と、5月生まれの6匹っていう差はわかっても
他の事は全然わからない。
怖がってる子もいれば馴致できそうな子もいる。
風邪引いてる子もいる。
かといって全員に初期医療をかけられないので
ひとまずフロントラインとドロンタールのみ実施しました。
預かりさん宅に10匹全員お願いしました。
隔離のためにお願いしてあります。
その中から馴致が可能な子だけ移動させて医療をかけます。
この中からどれだけの子たちを募集開始できるかわかりません。
この中からどれだけの子がTNRになるかわかりません。
出来ればリリースはしたくない現場だけど
我々が抱え込むことで
次の保護が出来なくなることと多頭崩壊になったら大問題です。
だからここは心を鬼にするしかないのか。
万が一この中の子たちのうち
みなしご救援隊さんにお願いをすることにしようとなった場合
またお願いをするかもしれません。
寒さを耐える空間はありません。
暑さをしのぐ空間はある程度あります(アマゾンみたいなとこですから)
でも寒さをしのぐには辛い場所です。
水道も無い場所です。
雨が降らなければ水を得られません。
給餌者さんが来なければ餌を得られません。
何もない場所で
夜は真っ暗です。
虐待するような人間もいます。
マトモな場所じゃないのです。
それでも彼らは生き抜いてきた。
生き抜くことが出来た理由は
お世話をしてくれる人間がいたからです。
でもそのお世話をしてくれた人たちだって
高齢の方が多いです。
雨の日も風の日も雪の日も通えるわけでは無いと思います。
そういった場所にいる子たちを
どうやって対応すればいいのか。
少し時間をかけてでも
なんとかしてやりたい。
TNRだけじゃなく。
その思いは変わりません。
ひとまず17日に対応した現場についてのご報告でした。
遺棄や虐待をする人間が立ち入らせないためにも
あまり詳しいことは公開出来ないのが申し訳ないのですが
また個別にTNRした子たちの情報をUPします。
10匹の子猫たちについては
改めて写真等を撮影してきます。
少しは馴致出来てるといいなぁ・・・。
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